ラビグーマジガンの来月号に琉大の記事が載ることになったのでシェアさせていただきます。 ↓以下本文↓ ~COLUMN DAI HAERT~ 数年前に医学ラグビーの関係者からあることを聞いた。「琉球大学の◯◯がすごい」。しかしその肝心な◯◯が思い出せない。そこで大学選手権決勝の次の日、沖縄へと飛んだ。 沖縄は暖かい。いや、暑い。先日閉幕した花園でベスト16に進出した名護高校がある本島北部では桜が咲いているという。飛行機から降りてすぐにコートを脱いだ。琉球大学医学部ラグビー部のキャプテンに車で迎えにきてもらい、早速取材のためグラウンドへ向かう。「もうすぐ着きますけど、まだ練習開始40分前なんで僕らが1番乗りですね!」。この男、やけに自信満々。 しかし、到着すると実際は違った。水道の前に人がいる。選手よりも先に来て練習用のボトルを用意していたのだという。ほかの場所に目をやるとテーピングを巻く人も。椅子の前ではボードに向かって何かを書いている。聞いてみると練習内容を毎回記録しているそうだ。 この人たち、練習が始まってからがもっとすごい。幹部が「これからランパスするんで7分計っ」そう言いかけた時にはすでにストップウォッチを構えている。「マーカーを…」もう持っている。 「笛を…」、「はい!」 すごい。 練習の合間の円陣では選手の後ろから「お疲れ様です」とボトルをスっと差し出す。ビニールに入った何かをボトルと同じように差し出している。なんだろう…塩だ。もう一方は?この黒いものは何ですかと尋ねると「黒糖です」。さすが“うちなー”のクラブ。 前述の自信満々だった男が「前はレストの度に黒糖を食べていたんですが最近は食事に気をつけてるんで今は控えています…」とさびしそうにつぶやく。 今度は何やら黒いファイルとペンを持って話に耳傾ける人がいる。ファイルの中を見せてもらうと、円陣での意見をメモしている。時には感想、練習改善のための指摘も加えながら、選手が発したラグビー用語も難なくメモ。先ほどのミーティングの内容を思い起こすことが容易だったことは言うまでもない。 かつて(少なくとも私が選手であった頃)はけが人が出たらやかんに入った水を持っていた人たちが、今ではキンキンに冷えた氷を持ってけが人に寄り添う。なんて温かいのだ。 あちらではビデオカメラを持った人が幹部と相談しながら決めた角度から練習を録画。今の時代は練習も記録に残る。選手たちの良いプレーも気の抜けたプレーもばっちり彼女たちは収めている。 選手たちの練習が終わっても、今度はボトルの洗浄。シャーという水の音やカランというバケツと柄杓があたる音が練習を終えたグラウンドに響いていた…。 束の間の休息を終え東京に降り立つとやはり寒い。先ほどまでの沖縄の暖かさはもう思い出せない。そんな時、ふと思い出した。「藤鳥さん、琉球大学のマネージャーがすごいんです」。 必須 2000文字以内 [bbs:youtube:(Youtubeの動画ID)]と書くとYoutubeの動画が貼れます。(例:[bbs:youtube:OQThUAQ0UN0])